学生がクレジットカード審査に落ちる原因は過去の返済延滞

学生がクレジットカード審査に落ちる原因のほとんどは、クレジットカード料金や携帯電話の本体代金の返済延滞です。自分が知らないうちに料金の支払いが遅れていたというケースもあります。

もちろん、返済延滞だけが審査に落ちる原因ではなく、「審査が厳しいカードを申し込んだ」「本人確認の電話に出なかった」などが原因となる場合もあります。

ここでは、「なぜクレジットカード審査に落ちたのかわからない」という学生の方に向けて、学生がクレジットカード審査に落ちる原因を解説します。

学生がクレジットカード審査に落ちる原因

学生がクレジットカード審査に落ちる原因ほとんどは「過去の料金延滞で信用情報が傷ついているから」です。信用情報(信用履歴)はクレジットカードやローンの利用履歴のことで、料金の延滞や滞納があると悪い履歴が記録され、クレジットカード審査に通りにくくなります。

なぜ学生が審査に落ちる原因のほとんどが過去の料金延滞なのかというと、学生は年収(収入)が審査にほとんど影響しないため、審査に落ちる原因が過去の料金延滞に限られているからです。また、審査に通りやすい属性(職業)である学生が審査に落ちるということは、審査に大きな影響を与える信用情報が原因である可能性が高いからです。

ただし、「学生申し込み不可のカードを申し込んだ」「本人確認・在籍確認の電話に出なかった」ことが原因で審査に落ちる場合もあります。

学生がクレジットカード審査に落ちる原因をすべて解説していきます。

過去の料金延滞で信用情報が傷ついている

クレジットカードやカードローン、携帯電話の本体代金の支払い履歴などは、個人信用情報機関という機関にすべて「信用情報」として記録されています。個人信用情報機関はCIC、JICC、KSCという3つの機関があります。

  • CIC:指定信用情報機関
  • JICC:日本信用情報機構
  • KSC:全国銀行個人信用情報センター

クレジットカードを申し込むと、カード会社は上記の機関に情報を問い合わせて、カード申込者の信用情報を調べます。「過去に料金延滞がある」という情報が記録されていたら、カード会社は「カード発行すると料金が返済されない可能性がある」と判断するため、クレジットカード審査に落ちます。

信用情報に傷がついてクレジットカード審査に通らない状況を「ブラックリスト入り」と言います。個人信用情報機関に記録された延滞情報は5年経過しないと消えないため、5年間はクレジットカード審査に通りにくい状態が続きます。

延滞情報の記録は5年間残りますが、延滞情報が残っていても審査に通る可能性はあります。延滞しても2ヶ月未満の延滞なら「軽度の延滞」として記録され、短期間の延滞情報や返済済みの延滞情報はカード会社によって判断が異なるからです。

個人信用情報機関には料金延滞の情報だけではなく、下記の情報も記録されています。

  • カードローンやキャッシングの借入情報(借金情報)
  • クレジットカードの申し込み履歴、解約履歴

これらの情報を踏まえて、クレジットカードの審査に影響する延滞の種類を解説していきます。

クレジットカード料金の延滞をしたことがある

すべてのカード会社は、CIC、JICC、KSCいずれかの個人信用情報機関に必ず加入しています。つまり、クレジットカード料金の延滞情報は、すべて個人信用情報機関に記録されているということです。

クレジットカード料金の延滞は2ヶ月未満であれば短期延滞として記録されるため、クレジットカード審査にあまり影響しません。しかし、申込先のカード会社によっては短期延滞でも審査落ちの判断をする場合もあります。

クレジットカード料金の支払いが2ヶ月以上遅れる長期延滞は、ほとんどのカード会社が悪い情報として判断して審査落ちになる可能性が高いです。長期延滞の記録が残っている場合、審査に通りやすい学生でも審査に通る可能性が低くなります。

携帯電話の本体代金を延滞したことがある

携帯電話(スマートフォン)を購入するとき、本体代金を分割払いにしている方が多いと思います。携帯電話本体代金の分割払いは「割賦契約」と呼ばれ、契約者の信用を元に分割払いを可能にしています。

契約者の信用を元に分割で本体代金を支払っているということは、分割払いの返済履歴が信用情報として記録されているということです。そのため、携帯電話本体代金の支払いが遅れると信用情報が傷つきます。

ただし、携帯電話の基本料金(通話料金・インターネット料金)は携帯電話会社に毎月支払っている料金で分割払いではないため、支払いが遅れても信用情報は傷つきません。

カードローン・キャッシング料金を延滞したことがある

現金を借りられるカードローン(アコム・プロミスなど)の返済履歴、現金を借りられるクレジットカードのキャッシング履歴は、信用情報として記録されています。もちろん、返済が遅れると信用情報が傷つき、クレジットカード審査に通りにくくなります。

また、カードローンやキャッシングは現金を借りるサービスなので、カード会社は「申込者はお金に困っている」「クレジットカードを発行しても料金が返済されないのでは?」と判断します。

学生が現金を借りている事実、返済が遅れているという情報から、カードローン・キャッシングの返済延滞があるとクレジットカード審査にかなり通りにくくなります。

家賃の支払いを延滞したことがある

近年では、マンションやアパートの賃貸物件を借りるとき、保証会社と契約が必要な物件が多いです。賃貸保証は保証会社が保証人の代わりになってくれる便利なサービスですが、契約者を信用して保証しているため、家賃の支払いが遅れると信用情報が傷つきます。

保証会社と契約する必要がない物件を借りている場合、通常は親が保証人となっています。この場合、保証会社と契約していないので家賃の支払いがどれだけ遅れても信用情報が傷つくことはありません。もちろん、クレジットカード審査に影響はありません。

クレジットカードを早期解約したことがある

クレジットカードを作って6ヶ月以内に解約したことがある方は、信用情報に早期解約の履歴が残ります。

クレジットカードの早期解約は「入会キャンペーンでもらえるポイントが目当てで入会した」さらに「年会費がかかる前に解約した」とカード会社に判断される可能性が高いです。つまり、早期解約者にクレジットカードを発行するのはカード会社にとってリスクが大きいため、審査に通りにくくなります。

複数枚のクレジットカードを申し込んだ

同時に複数枚のクレジットカードを申し込む「多重申し込み(同時申し込み)」をすると、必要以上にクレジットカードを作っているとカード会社に判断されて、クレジットカード審査に通りにくくなります。

カード会社が利益を得るには、自社のクレジットカードを使ってもらう必要があります。申込者が複数枚のクレジットカードを申し込んでいると、「自社のクレジットカードを使ってくれない可能性がある」と判断し、審査に落ちる可能性が高まります。

また、クレジットカードの不正利用が目的で、複数のクレジットカードを申し込んでいる可能性もあります。カード会社はそのような申込者にカードを発行するのはリスクが高いと考えています。

リボ払い・分割払い・キャッシング・カードローンの支払いが残っている

クレジットカードのリボ払い、分割払い、キャッシング、カードローンの支払いが残っていると、クレジットカードの審査に少し通りにくくなります。

上記のようなお金を借りる機能を利用しても、信用情報が傷つくことはありません。しかし、学生がお金を借りていて返済が残っているという事実は、カード会社にとって悪いイメージを与えます。

お金を借りていたとしても、10万円未満の少額であればクレジットカード審査への影響は少ないです。しかし、学生が10万円以上借りていると、お金に困って新しくクレジットカードを作ろうとしている可能性が高くなり、審査に通りにくくなります。

学生申し込み不可のカードを申し込んだ

学生がクレジットカード審査に落ちる原因として、学生申し込み不可のカードを申し込んだことが考えられます。クレジットカードは18歳以上なら作れますが、一部のカードは「学生申し込み不可」「25歳以上」などの条件が設定されています。

審査に落ちた方は、申し込んだクレジットカードの申し込み資格を確認して、条件を満たしていたか確認してみましょう。

審査が厳しいカードを申し込んだ

学生でも申し込みできるクレジットカードでも、審査が厳しいクレジットカードを申し込んで審査に落ちた可能性があります。審査が厳しいクレジットカードとして、下記のような銀行系カードや航空系カードがあります。

  • 三井住友VISAカード(銀行系カード)
  • JCBカード(銀行系カード)
  • アメリカン・エキスプレス・カード(銀行系カード、プロパーカード)
  • ANAカード(航空系カード)
  • JALカード(航空系カード)

銀行系カードや航空系カードは一般的なクレジットカードよりも審査が厳しいと言われています。上記のカード会社は学生向けクレジットカードも発行していますが、それでも審査基準は一般的なカードよりも厳しいです。

銀行系カードや航空系カードで審査に落ちた方は、信販系カード(REXカードなど)や流通系カード(イオンカードなど)を申し込んでみると良いでしょう。

本人確認・在籍確認・親の同意確認の電話に出なかった

クレジットカードを申し込むと、カード会社から電話がかかってくる場合があります。電話は自宅にかかってくる「本人確認」や「親の同意確認(18歳~19歳)」、学生のアルバイト先にかかってくる「在籍確認」があります。

  • 本人確認:申込者の携帯(自宅)に電話して本人かどうか確認する
  • 親の同意確認(未成年のみ):申込者の携帯(自宅)に電話して親にカード作成の許可を確認する
  • 在籍確認:申込者がアルバイト先で本当に働いているか(在籍しているか)確認する

これらの電話が繋がらなかった場合、本人確認や在籍確認が取れなかったため審査に落ちる可能性があります。電話は必ずかかってくるわけではありませんが、カードを申し込み後は知らない電話番号から電話があっても出るようにしておく必要があります。

キャッシング枠を申し込んだ

クレジットカードのキャッシング枠を申し込む場合、本人収入が必要になります。本来は学生のアルバイト収入は審査にほとんど影響しませんが、キャッシング枠を申し込んだ場合はきちんと収入があるか審査されるため、審査が厳しくなります。

キャッシング枠を申し込むのは悪いことではありませんが、クレジットカード審査に通るためにキャッシング枠なし(0円)で申し込むのも1つの手段です。

学生のクレジットカード審査に影響しない項目

学生のクレジットカード審査に影響しない項目を解説します。

学生のアルバイト収入(年収)は審査に影響しない

学生のアルバイト収入(年収)はクレジットカード審査にほとんど影響しません。学生は親の扶養として生活していることがほとんどで、アルバイト収入があっても少額だからです。

クレジットカード申込時には職業欄で「学生」を選択すると「収入」の欄を記入できなくなるカードもあります。つまり、カード会社は学生の収入情報は審査に必要がないものとして扱っているということです。

両親の信用情報

両親の信用情報はクレジットカード審査に影響する場合と影響しない場合があります。基本的には、学生の年齢によって親の信用情報が審査に影響するか決まります。

  • 成人した学生(20歳以上):親の信用情報は審査に影響しない
  • 未成年の学生(18歳~19歳):親の信用情報は審査に影響する

クレジットカードを申し込むとき、未成年者は親の許可が必要です。親の許可が必要ということは、親の元で生活している未成年者はクレジットカード申込時に親の信用情報を確認されている可能性があります。

また、20歳以上の学生がクレジットカードを申し込む場合でも、審査が厳しいカード会社(詳細を調べるカード会社)だと親の信用情報を確認する場合もあります。

奨学金を借りていても審査に影響しない

学生で奨学金を借りていてもクレジットカード審査に影響しません。奨学金を借りているという情報は、個人信用情報機関に記録されないため、カード会社は申込者が奨学金を借りているか調べることはできないからです。

ただし、奨学金の返済が遅れた場合は信用情報に傷がつくため、クレジットカード審査に通りにくくなります。実際に日本学生支援機構の奨学金のホームページには、「奨学金の滞納3ヶ月以上の場合は個人信用情報機関に登録される」と記載があります。

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