クレジットカード審査で保証人は不要

クレジットカードは一時的にお金を借りられるサービスなので、「保証人が必要なのでは?」と考える方も多いと思います。実際にはクレジットカードを申し込むときに保証人は不要です。

ただし、クレジットカード申込者が未成年者の場合は両親の許可が必要になり、本人収入が少ない主婦の場合は旦那さまの年収を元に審査が行われます。これはクレジットカードの保証人となる契約ではありませんが、申し込み前に知っておくべき知識です。ここでは、クレジットカード審査と保証人の関係について解説します。

クレジットカード審査で保証人は不要

クレジットカードを申し込むとき保証人は不要です。「クレジット」とは日本語で「信用」という意味で、クレジットカードは申込者の信用で一時的にカード料金を肩代わりしてくれる仕組みだからです。

銀行や金融機関から現金を借りるローン契約では、保証人が必要な場合があります。これは借りるお金の金額が高額だったり、ローン会社に現金が返済されなかったりするリスクがあり、申込者の信用だけではお金を貸せないからです。クレジットカード支払いは商品購入しかできず、ショッピング利用の金額はそれほど高くならないため、保証人は不要となっています。

申込者の信用が審査される

クレジットカードの入会審査時、カード会社は申込者の信用力を調査します。カード会社は個人信用情報機関という機関に記録された「信用情報」を元に、申込者がクレジットカード料金を返済できる信用力があるか調べています。また、申し込み時に記入する年収や勤務先情報なども信用力を審査する情報として扱われます。保証人がいなくてもクレジットカードを作れる理由は、申込者に信用力があるからです。

主婦の場合は旦那さまの年収を審査される

専業主婦で本人収入がない方、パート主婦で本人収入が少ない方は旦那さまの年収を審査されます。クレジットカード申し込み時の世帯年収を元に、カード料金を支払える返済能力がある家庭か調査しています。

主婦のクレジットカード申し込みでは旦那さまの年収を調査されますが、旦那さまが保証人となる必要はありません。仮に奥さまがクレジットカード料金を返済できなくなったとしても、旦那さまは保証人ではないので責任を負って返済する義務もありません。

未成年者に必要な「親の同意」は保証人ではない

未成年者(18歳~19歳)の方は親の同意がないとクレジットカードを作れません。民法5条2項では「法定代理人の同意を得ていない契約は取り消すことができる」となっており、ご両親の同意を得ていないとカード会社は契約を取り消しされてしまう恐れがあり、貸し倒れのリスクがあります。未成年者は「制限行為能力者」という扱いで、ご両親の許可がないと契約を結べないことになっています。つまり、カード会社はご両親の許可を取ることによってクレジットカードの契約を有効としています。

ただし、ご両親が未成年者のクレジットカード発行を許可したからと言って、ご両親が保証人になるわけではありません。未成年者がクレジットカード料金を返済できなかった場合、ご両親に返済の義務はないです。

親の同意の確認は、電話連絡でご両親の許可を得たり、親権者の同意書のサインを提出したりすることで同意の確認が完了します。これは「クレジットカードを作って良い」というご両親の許可であって、保証人になるということではありません。

未成年者の審査については「未成年(18歳~19歳)のクレジットカード審査」のページで詳しく解説しています。

法人カードは申込者本人が連帯保証人

会社向けに発行されている法人カードは、カード申込者本人が連帯保証人となります。法人カードは会社の社長や代表者が契約者となるのが一般的です。法人カードは、社員が会社の経費を支払うために複数枚カードを発行する場合があります。会社が倒産したり支払いができなくなったりした場合、クレジットカードを契約した代表者がカード料金返済の責任を負います。

法人カードの利用規約には「クレジットカード契約者はカード料金の返済に連帯責任を負う」というように記載されています。これはカード契約者本人に料金返済の義務があることを意味します。

つまり、会社の社員が持っているクレジットカードでも、契約者は社長や代表者となっているため社員にカード料金返済の義務はありません。会社が発行しているクレジットカードなので、返済の義務が代表者にあるのは当然です。

保証人と連帯保証人の違い

保証人と連帯保証人の違いは返済責任の重さで、連帯保証人は保証人よりも重い責任を負います。法人カードの契約では、カード契約者が連帯保証人となっているのが一般的です。

  • 保証人:責任が軽い
  • 連帯保証人:責任が重い

保証人には、「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」という3つの決まりがあります。これは複数の契約者がいた場合に返済料金を分配したり、本来返済義務がある人に対して先に請求を行わせたりする制度ですが、基本的にクレジットカード契約者は1人なので関係ありません。

連帯保証人は保証人と違って、返済ができなくなったとき連帯保証人に直接返済を求める契約です。実際、クレジットカードは代表者1名が契約者となっているため、契約者が連帯保証人になっていると言っても、通常のクレジットカード契約との違いはないと言って良いでしょう。

保証人になっているとクレジットカード審査に通りにくい?

住宅ローン、自動車ローン、保険などの保証人になっていると、クレジットカード審査に通りにくくなる可能性があります。ローン契約などで保証人が必要となった場合、個人信用情報機関という機関に「保証人になっている」という情報が記録されるからです。

カード会社はクレジットカード審査の際、個人信用情報機関の信用情報を照会して申込者の返済能力を判断しています。つまり、申込者が保証人になっている情報はカード会社が把握できます。保証人にはローン契約などの返済義務が生じるため、多額の借金を抱えてしまった際にクレジットカード料金が返済できなくなると判断され、クレジットカード審査に落ちる可能性があります。

しかし、ローンや保険の保証人になっていたとしても、まずは契約者本人に返済請求されるため、保証人の方が多額の借金を抱える可能性は低いです。保証人になっているとクレジットカード審査に通りにくくなる可能性はありますが、基本的には保証人になっていたとしても審査に影響しないと考えて良いでしょう。