支払い延滞があるとクレジットカード審査に通りにくくなる

クレジットカード料金やローン返済が遅れてしまうと、クレジットカード審査に通りにくくなります。料金の延滞情報は個人信用情報機関という機関に記録されており、クレジットカード審査やローン審査時に延滞情報をチェックされているからです。

ここでは、どのような料金の延滞がクレジットカード審査に影響するのか、延滞期間や延滞回数によって審査への影響度合いが異なるのか解説します。

クレジットカード審査に通らなくなる延滞

カード会社はクレジットカード審査時に個人信用情報機関の信用情報を確認しているので、個人信用情報機関に延滞情報が記録される延滞をすると審査に影響します。信用情報が残る延滞はクレジットカード料金の延滞、ローン返済の延滞、携帯電話本体代金の延滞です。

  • クレジットカード料金の延滞
  • ローン返済の延滞
  • 携帯電話本体代金の延滞

上記は契約時の利用規約に「個人信用情報機関に信用情報を記録する」と記載されています。毎月の料金を返済していれば良い履歴が残りますが、料金を延滞すると悪い履歴が残ります。カード会社やローン会社は審査時に悪い履歴が残っていると「返済延滞をする人にお金を貸すのはリスクがある」と判断されて、審査に通りにくくなります。

クレジットカード料金やローン返済の延滞

クレジットカード料金やローン返済の延滞があるとクレジットカード審査に通りにくくなります。カードローン、住宅ローン、自動車ローンなど、毎月返済する必要がある料金の支払いが遅れてしまうと信用情報に悪い履歴が残ります。

クレジットカード審査に影響する延滞

  • クレジットカード料金の延滞
  • カードローンの延滞
  • 住宅ローンの延滞
  • 自動車ローンの延滞
  • その他、毎月返済する必要があるローンの延滞

携帯電話本体代金の延滞

携帯電話本体の契約時には24回払いや36回払いのように、本体代金を分割払いできます。本体代金を分割払いで契約していて支払いが遅れてしまうと悪い信用情報が残り、クレジットカード審査に通りにくくなります。携帯電話本体代金の分割払いは「割賦契約」という契約方法で、料金の返済履歴は全て個人信用情報機関に記録されています。

携帯電話の基本料や通話料は返済が続いても携帯電話の強制解約になるだけで、信用情報は傷つきません。携帯電話の本体を一括払いで購入した方、本体代金を分割払いにして本体代金の返済が完了した方は、携帯電話料金の支払いが遅れてもクレジットカード審査に影響しません。

  • 携帯電話本体代金の延滞:クレジットカード審査に通りにくくなる
  • 携帯電話の基本料や通話料の延滞:クレジットカード審査に影響しない

延滞期間や延滞回数による審査への影響

クレジットカード料金やローン返済の支払いが数日~数週間遅れたとしても、クレジットカード審査への影響は少ないです。クレジットカード審査に影響するのは2ヶ月以上の長期延滞と言われており、多少の延滞履歴が残っていたとしてもカード会社はクレジットカード発行しても問題ないと判断する可能性が高いからです。

数日~数週間の延滞

支払い延滞が数日~数週間の場合、1ヶ月分だけ返済が遅れてしまったという情報が信用情報として残ります。銀行口座への入金を忘れていたなどの理由で1ヶ月程度の延滞は起こるため、少しの延滞なら審査に影響はほとんどありません。

2ヶ月以上の長期延滞

2ヶ月以上の長期延滞があるとクレジットカード審査に通りにくくなります。料金を長期間返済できていないということは返済能力が低い(お金がない)と見なされ、クレジットカード料金を返済できないとカード会社が判断するからです。

クレジットカードの審査では申込者の返済能力が最も重要です。クレジットカード料金が返済できない人に対してクレジットカード発行してしまうと、カード会社はお金を貸して返ってこない貸し倒れになってしまうからです。

2ヶ月以上の長期延滞があると信用情報に「異動情報」という記録が残ります。異動情報は保証会社が代わりに代金を支払う「代位弁済」が行われた場合に記録され、登録されている人の支払い能力が低いことを意味します。異動情報は一般的に「ブラックリスト」とも呼ばれ、クレジットカードやローンの審査に通らなくなる状況のことを言います。信用情報に異動情報が残っている方はクレジットカード審査に通る可能性がかなり低くなります。

ただし、毎月の支払日から少し遅れて返済している状況が2ヶ月間続いたとしても、保証会社から代位弁済は行われないため異動情報は記録されません。この場合、信用情報には「未入金」という情報が2ヶ月間連続で記録されていて、多少クレジットカード審査に通りにくい状態となります。

個人信用情報機関に記録されるマーク

個人信用情報機関にはクレジットカード料金やローン料金の返済内容によって、下記のマークが毎月記録されます。クレジットカード審査時には、カード申込者の信用情報に悪い履歴が残っているかどうかカード会社がマークを見て判断しています。

マーク 意味
料金が正しく返済された
P 料金が一部だけ返済された
R 契約者以外から返済された(保証会社)
A 料金が返済されなかった(未入金)
B 契約者以外の理由で入金されなかった(カード会社の問題など)
C 原因不明の未入金
請求なし(クレジットカード利用なし)
空欄 情報なし(クレジットカード利用なし・クレジット会社からの情報なし)

上記のうち、クレジットカード審査に通りにくくなるマークは「R(保証会社の返済)」と「A(未入金)」と「C(原因不明の未入金)」と「P(料金が一部だけ返済)」です。これらは料金が支払われていないことを意味するので、返済遅れの情報が多ければクレジットカード審査に通りにくくなります。

最もクレジットカード審査に影響するのが「R(保証会社の返済)」です。保証会社から料金が返済されたということは2ヶ月以上の支払い遅れがあったことを意味します。「R」が記録されていると、個別に信用情報の「返済状況」という欄に「異動」と記録されてブラックリスト入りの状態となります。

個人信用情報機関に延滞情報の記録が残る期間

個人信用情報機関はCIC、JICC、KSCという3つの機関があり、延滞情報が記録される期間はそれぞれ異なります。ただし、クレジットカード会社は複数の個人信用情報機関に加盟しているため、延滞情報は5年間記録されると考えて良いです。

個人信用情報機関 延滞情報が残る期間
CIC 5年間
JICC 1年間
KSC 5年間

一度記録された延滞情報は記録期間が過ぎるまで消えることはありません。支払いが完了しても消えることはないですが、延滞情報の後に問題なく返済できている記録が残っていればクレジットカード審査に通りやすくなります。

延滞はクレジットカード更新審査にも影響する

クレジットカード表面に記載されている有効期限が切れると、新しいクレジットカードを発行するために更新審査が行われます。更新審査は入会審査が同じく信用情報のデータを確認して行われるため、延滞情報が残っていると更新審査に通りにくくなります。

また、有効期限は通常5年後に設定されることが多いですが、延滞情報が残っていると次回の有効期限が3年程度と短く設定される場合があります。これはカード会員の信用力が低いため、定期的に更新審査を行う必要があるとカード会社が判断するからです。

審査に通らない場合は信用情報を見てみる

個人信用情報機関の信用情報は「開示請求」を行って自身の信用情報を確認できます。信用情報を確認すれば、信用情報が原因でクレジットカード審査に通らないのかどうか判断できます。開示請求は個人信用情報機関の公式サイトからインターネット上で行うことができ、手数料約1,000円で信用情報を見れます。

信用情報に延滞情報が残っている場合は、信用情報が原因で審査に落ちている可能性が高いです。延滞情報の記録日から5年間待って悪い信用情報がなくなってからクレジットカードを申し込むか、クレジットカード料金を毎月返済している良い信用情報を残してからクレジットカードを申し込みましょう。

料金を延滞しないための対策

クレジットカードやローン料金を延滞しないための対策を紹介します。

銀行口座の残高を支払日前に確認する

銀行口座の残高不足で支払日を迎えると返済延滞になり、信用情報が傷ついてしまいます。クレジットカードやローン料金の支払日前に口座残高を確認しておき、返済料金が足りているか確認しましょう。

クレジットカードやローンによって支払日は異なるため、複数のクレジットカードやローンがある場合はそれぞれの支払日を把握しておくことで延滞を防げます。

引き落とし銀行口座を1つにまとめる

複数の銀行口座やクレジットカードを持っている場合、引き落とし口座を1つにまとめておくことで返済料金が足りているかわかりやすくなります。別々の口座からクレジットカード料金を引き落とすように設定していると、どの料金がどの口座から引き落とされるかわかりにくくなるので延滞の原因になります。

また、クレジットカード料金の引き落とし口座と給与振込口座を同じ口座に設定するのも延滞しないための対策として有効です。クレジットカード料金が給与振込口座から引き落とされれば口座振替などの必要がなくなり、未入金による延滞が起こりにくくなります。

料金を返済できない場合の対策

クレジットカード料金やローン返済の支払いができない場合の対策を紹介します。

支払い方法をリボ払いに変更する

クレジットカードの多くは、支払日前に一括払いをリボ払いに変更できます。クレジットカード料金の返済が難しい場合はリボ払いに変更することで、当月の支払いを後回しにできます。一時的にお金が足りないときにはリボ払いに変更しておき、後で一括返済すると金利手数料があまりかかりません。

カードローンでお金を借りる

カードローンは現金を借りられるサービスです。カードローンで借りたお金は毎月分割で返済するため、クレジットカード料金が返済できない場合はカードローンで現金を借りてクレジットカード料金の返済に充てることで信用情報を傷つけずに済みます。

カード会社やローン会社に支払いの相談をする

クレジットカード料金やローン返済の支払いが難しい場合、カード会社やローン会社に返済の相談をすることをおすすめします。きちんと連絡して相談することで、一方的に信用情報に悪い情報を記録されることを防ぎ、お金を返済する意思があることを表明できます。

また、カード会社やローン会社に相談すれば無理のない支払い方法を教えてくれます。自身の返済能力に合わせて支払い方法を変更すると毎月返済できて、信用情報が傷つかなくなります。