クレジットカードの審査に通らない理由

クレジットカードの審査に通らない理由は、カード会社に返済能力が不十分だと判断されたからです。クレジットカードやローンの履歴「信用情報」や、申込時に記入する「年収」を元に、カード会社は申込者の返済能力を判断しています。

また、クレジットカードの審査中に行われる在籍確認や本人確認の電話に出られなかった場合も、審査に落ちる可能性が高くなります。

  • 信用情報が傷ついている
  • 収入が少ない
  • 収入が安定していない
  • 在籍確認や本人確認の電話が繋がらない

個人信用が傷ついている

信用情報とは、クレジットカードやローンの利用履歴のことです。過去のクレジットカードやローン利用履歴は個人信用情報機関に記録されていて、審査時にカード会社が照会して悪い利用履歴が残っていないか確認しています。個人信用情報機関に悪い履歴が残っていると「信用情報が傷ついている状態(ブラックリスト)」でなので信用力を失ってしまい、クレジットカード審査に通りにくいです。

カード会社は下記3つのうち少なくとも1つの個人信用情報機関に加盟しています。カード会社はクレジットカード申し込み時に記入された名前、住所、電話番号、生年月日などの情報を元に個人信用情報機関に照会をかけて、信用情報を特定しています。

  • CIC(指定信用情報機関)
  • JICC(日本信用情報機構)
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)

信用情報は「CRIN(信用情報ネットワーク)」と「FINE(金融情報ネットワーク)」という仕組みにより、個人信用情報機関同士が同じ情報を見られるようになっています。そのため、カード会社がどの個人信用情報機関に加盟していたとしても、いずれかの機関に悪い信用情報が残っているとクレジットカードの審査に通りにくい状態です。

クレジットカード・ローン返済の延滞・滞納

クレジットカードの審査に落ちる原因で最も多いのが、クレジットカードやローン料金の返済延滞です。延滞が2ヶ月未満であればクレジットカード審査にあまり影響はありませんが、2ヶ月以上の長期延滞をすると個人信用情報機関に「異動情報」と記録されて審査に通りにくい状態となります。

ローンの延滞とは「カードローン」「クレジットカードのキャッシング」「住宅ローン」「自動車ローン」「教育ローン」などです。ローンを利用しているだけなら問題ありませんが、延滞があると信用情報が傷つきます。

クレジットカードやローン料金の延滞情報は、個人信用情報機関に5年間記録が残るため、5年間はクレジットカード審査に通りにくい状態が続きます。個人信用情報機関に記録されている信用情報を消す手続きは存在せず、時間が経たって自動的に消えるのを待つしかありません。

しかし、クレジットカードやローンの返済延滞があっても、絶対に審査に通らないわけではありません。返済延滞の履歴が2年~3年以上前の記録だったり、高額な延滞だったりしなければクレジットカードの審査に通る可能性は十分あります。ただし、信用情報が傷ついているにも関わらず審査が厳しいクレジットカードを申し込んだ場合は審査に落ちる可能性が高くなります。

家賃の延滞

家賃を延滞したことがあるとクレジットカード審査に落ちやすくなる場合があります。マンションやアパートを借りている不動産が保証会社を利用していて、保証会社が個人信用情報機関に加盟していると家賃の延滞情報が残るため、信用情報が傷つきます。

不動産が保証会社を利用していない場合や、保証会社が個人信用情報機関に加盟していない場合、家賃を延滞しても信用情報は傷つかず、クレジットカード審査に影響はありません。

  • 保証会社が個人信用情報機関に加盟:カード審査に落ちやすくなる
  • 保証会社が個人信用情報機関に加盟していない:カード審査に影響しない

携帯電話の本体代金を延滞

携帯電話の本体代金を延滞した場合も、クレジットカードの審査に通りにくくなります。携帯電話の本体代金は「割賦契約(分割払い)」の契約になっているため、返済延滞があると個人信用情報機関に記録が残ります。つまり、ローンの返済延滞をしたときと同じ状態です。携帯電話の本体代金は2ヶ月以上の長期延滞で異動情報が記録されます。

ただし、携帯電話(スマートフォン)を購入した際に本体代金を一括払いにしていたり、本体代金の返済が完了していたりすれば、携帯電話料金の延滞があっても個人信用情報機関には記録されません。通信料・通話料として支払う毎月の携帯電話料金は割賦契約ではないからです。

債務整理(自己破産・任意整理)をした

過去に自己破産や任意整理などの債務整理をした場合、クレジットカードの審査に通らないです。債務整理をした事実は個人信用情報機関に5年~10年記録されるため、少なくとも5年以上経たないとクレジットカードの審査に通りません。債務整理の履歴は、過去に返済できないほどの借金があったことを意味するため、重要な情報として信用情報の記録期間が長く設定されています。

債務整理の履歴はクレジットカードやローン延滞の履歴よりも厳しく評価されるため、債務整理の履歴が残っている状態でクレジットカードの審査に通る確率は0%に近いと言って良いです。債務整理した人がクレジットカードを作るには、個人信用情報機関の記録が消えるまで待つしかありません。

クレジットカードの多重申し込み

クレジットカードの多重申し込みとは、短期間に複数のクレジットカードを申し込むことです。クレジットカードの申し込み履歴は個人信用情報機関に記録され、申し込みから6ヶ月間は記録が残ります。一般的に、6ヶ月以内に3枚以上のクレジットカードを申し込むと審査に通りにくくなると言われています。短期間に複数のクレジットカードを申し込んだ履歴は申し込みブラックと呼ばれます。

多重申し込みでクレジットカードの審査に通りにくくなる理由は、カード会社が「カード申込者はお金に困っている」と判断するからです。クレジットカードは一時的にお金を借りられるカードなので、お金を借りないと生活が苦しい状態と判断されて審査に落ちてしまいます。

6ヶ月以内にクレジットカードの審査に落ちた

クレジットカードを申し込んで審査に落ちた履歴は、申し込み情報として個人信用情報機関に6ヶ月間記録されます。クレジットカードの審査に落ちて6ヶ月以内に他のカード会社が発行するクレジットカードを申し込むと、個人信用情報機関に審査落ちの情報が残っているため審査に落ちる可能性があります。

審査落ちの履歴がクレジットカード審査に影響する理由は、カード会社が「他のカード会社で延滞などの悪い履歴が残っていて審査に落ちたのでは?」と判断するからです。審査落ち情報が残っていても審査に通る可能性はありますが、急ぎでクレジットカードを作る必要がなければ6ヶ月間はクレジットカードを作るのを我慢したほうが良いです。

クレジットカードの審査落ち履歴は、クレジットカードやローン料金の延滞情報に比べると審査への影響度合いが低いです。急ぎでクレジットカードを作りたいなら、審査が厳しくないクレジットカードを申し込んでみると良いでしょう。

高額な借金をしたことがある

過去に100万円以上の高額な借金をした履歴が残っているとクレジットカードの審査に通りにくくなります。特に「クレジットカードのキャッシング」「カードローン」などの無担保ローンで高額な借金をしていると、明らかにお金に困っていることがカード会社にバレます。お金を借りた履歴は個人信用情報機関5年間記録されています。

しかし、高額な借金をしていても毎月返済ができていれば審査落ちの原因にならない場合もあります。ローンの返済が毎月できているなら、クレジットカード料金も毎月返済してくれる可能性が高いからです。カード会社は、クレジットカード料金を返済してくれる方に対してクレジットカードを発行したいと考えているので、借金があっても毎月返済できると判断されれば審査落ちの原因にはなりません。

また、自動車ローンや住宅ローンなどの有担保ローンは高額な借金として見なされません。日本人の多くは自動車ローンや住宅ローンでお金を借りて生活しているので、クレジットカードの料金の返済に問題はないと判断されます。また、有担保ローンはローン返済ができなくなった場合に自動車や家を売却して返済に充てるため、「資産がある」と判断されて逆にクレジットカードの審査に通りやすくなります。

現在借金が残っている

返済が済んでいない借金が残っているとクレジットカードの審査に落ちやすくなります。借金でお金を借りている金額は個人信用情報機関の「他社借入残高」という箇所に記録されているため、カード会社はカード申込者に借金がいくら残っているか確認できます。

借金の借入残高が10万円~30万円程度ならクレジットカード審査に影響は少ないです。しかし、借入残高50万円以上など、生活が困難だと判断されるような借金が残っているとクレジットカード審査に落ちる可能性があります。

50万円以上のお金を借りる例として、ブライダルローンや葬儀ローン、医療ローンなどがあります。ローンの返済がすぐにできない場合は、返済が終わってからクレジットカードを申し込んだ方が良いです。

収入が少ない・収入が安定していない

フリーターで収入が少ない方、個人事業主で収入が安定していない方はクレジットカードの審査に通りにくいです。クレジットカードの審査に通るには返済能力が重要で、申し込み時に記入する年収や職業などから返済能力を評価されます。

一般的に、クレジットカードの審査に通るには年収100万円以上が必要と言われています。フリーターで年収100万円未満の方、正社員でも年収が150万円未満の方が審査に落ちた場合は年収が原因となっている可能性が高いです。

また、クレジットカードの審査では収入の安定性も重要です。フリーターや派遣社員、個人事業主などの方は仕事を失う可能性があるため審査に不利です。

専業主婦や学生で本人収入がない

一部のクレジットカードは申し込み資格に「安定した収入が必要」と記載されています。専業主婦や学生など、本人収入がない方は収入が必要とされているクレジットカードを申し込むと審査に落ちる可能性があります。

クレジットカードの申し込み資格に収入に関する記載がない場合、本人収入がない方でもクレジットカードを作れます。たとえば、イオンカードの申し込み資格には収入に関する記載がないため、学生や専業主婦でも申し込めます。クレジットカードの審査に落ちた場合、申し込んだクレジットカードの申し込み資格を一度確認してみましょう。申し込み資格に収入に関する記載があって審査に落ちたなら、収入制限がないクレジットカードなら問題なく作れる可能性が高いです。

  • 申し込みで本人収入が必要なクレジットカード:本人収入がないと審査に落ちる
  • 申し込みで本人収入が必要ないクレジットカード:本人収入がなくても作れる

フリーター・アルバイト

フリーターの方、アルバイトの方は収入が安定していないためクレジットカード審査に通りにくいです。フリーターの方で年収が200万円以上にあったとしても、収入が安定していないと判断されれば審査に落ちる可能性はあります。

フリーターのうち、審査に落ちやすいのは「勤続年数が短い方」「結婚している方」「一人暮らしの方」です。勤続年数が短いと長期間同じ仕事を続けていない可能性が高くなるので、収入の安定性が低いと判断されます。結婚している方はご家族を養う必要があるため、アルバイト収入だけで生活が困難だと判断される場合があります。一人暮らしの方は家賃支払いがあるので、実家暮らしの方よりも高い年収が求められます。

派遣社員・契約社員

派遣社員や契約社員の方は、派遣契約の打ち切り(派遣切り)になる可能性があるため、カード会社に収入が安定していないと見なされる可能性があり審査に不利です。しかし、派遣会社に務めていれば仕事がなくなっても派遣先を再度紹介してくれるため、フリーターの方よりも審査には通りやすいです。

派遣社員の方がクレジットカード審査に落ちる原因として、勤務先の記入間違いがあります。クレジットカードの申し込み時に記入する勤務先は「派遣元の会社」です。派遣先の会社を記入してクレジットカードを申し込むと、申し込み情報が間違っているため審査に落ちる可能性があります。

個人事業主・自営業・フリーランス

個人事業主・自営業・フリーランスの方は収入が安定していません。カード会社は「仕事が少ない時期、売上が少ない時期はお金に余裕がなくなることもある」と判断します。収入が安定していないということは、クレジットカード料金が返済されない可能性があるということなので、カード会社も審査に慎重になります。

個人事業主が審査に通るための対策として「申し込み時に固定電話番号を記入する」のがおすすめです。固定電話番号があれば事務所に電話が繋がるので、クレジットカード料金が返済できなかったとしてもカード会社は電話が繋がるので安心し、審査に有利になります。

また、個人事業主の方だけが作れる「個人事業主向けのクレジットカード」を申し込むのも良いでしょう。個人事業主向けのクレジットカードならカード料金の支払いを先延ばしにしてくれるサービスが付いていたり、個人事業主に無理のない審査基準で審査を行ってくれたりします。

初めてクレジットカードを申し込んだ

初めてクレジットカードを申し込んだ場合、申込者に過去のカード利用履歴がないのでカード会社は慎重に審査を行います。他にクレジットカードを持っている方なら、過去の返済履歴(信用情報)を確認して信用力がある人物か判断できますが、初めてクレジットカードを申し込む方だったら申し込み情報だけを頼りに審査が行われます。

つまり、申し込み時に記入する「年収」「勤続年数」「家族構成」「勤務先情報」などの情報を元に審査が行われるため、通常よりも高い年収や長い勤続年数が求められます。勤務先の会社は規模が大きいか、家族構成に対して年収は少なくないかなど総合的に判断して審査します。そのため、初めてクレジットカードを申し込む方は、すでにクレジットカードを持っている方よりも審査で不利になります。

ただし、10代~20代の若い方なら初めてのクレジットカードでも審査に通りやすいです。若い方ならクレジットカードを持っていない場合も多く、カード会社は自社のクレジットカードを使ってもらいたいと考えるので審査に通りやすいです。10代~20代で初めてのクレジットカード審査で落ちた場合は、初めてのクレジットカードだから審査に落ちたという可能性は低いです。

30代以上で初めてクレジットカードを申し込んだ

30代以上で初めてクレジットカードを申し込んだ方は審査に通りにくいです。それなりの年齢にも関わらずクレジットカードを持っていないと、信用情報が残っていないことを怪しまれるからです。

クレジットカードを今まで使ったことがない人を「スーパーホワイト(信用情報が真っ白な状態)」と言います。また、過去に自己破産などをしてクレジットカードを作れず、信用情報が残っていない人を「ホワイト」と言います。カード会社が信用情報を見ると、スーパーホワイトもホワイトも同じように見えるので、「申込者は自己破産者の可能性がある」と判断されてしまいます。つまり、年齢が30歳以上で初めてクレジットカードを申し込むと、自己破産者と間違われて審査に落ちた可能性が高いです。

審査が厳しいカードを申し込んだ

ゴールドカードや銀行が発行する銀行系クレジットカードは審査が厳しいため、カード会社の審査基準に見合った年収がないと審査に通りません。ゴールドカードや銀行系クレジットカードは年収200万円~300万円以上が審査通過の目安と言われているので、200万円未満の方が審査に落ちた場合は審査が厳しいカードを申し込んだのが原因です。

年会費無料のクレジットカードなど、審査がそれほど厳しくないクレジットカードであれば年収が200万円程度あれば審査に通ります。審査が厳しいクレジットカードは年会費有料のカードが多いので、年会費有料のカードで審査に落ちた場合は年会費無料のカードを申し込んでみると良いでしょう。

在籍確認や本人確認の電話が繋がらなかった

クレジットカードを申し込むと、勤務先に電話がかかってくる「在籍確認」、自宅や携帯電話に電話がかかってくる「本人確認」が行われる可能性があります。カード会社が勤務先や自宅に電話して電話が繋がらないと、審査が一旦保留になって何度か電話をかけ直します。それでも電話が繋がらないと申し込み情報の記入ミスや申請虚偽を疑われて審査落ちになります。

在籍確認の電話は勤務先にかかってくるので電話に出られないことは少なく、在籍確認が原因で審査に落ちる可能性は低いです。携帯電話で受信拒否設定をしていたり、申し込み時に自宅の電話番号を申請していたりして電話に出られなかったら、本人確認の電話が繋がらず審査落ちになります。

申し込みで電話番号の記入ミスがあった

申し込み時に記入する電話番号を間違って記入してしまうと、在籍確認や本人確認の電話が繋がらず審査に落ちる可能性があります。また、電話が繋がらないとカード会社は申し込み情報を確認する手段がないため、仕方なく審査落ちとする場合もあります。