学生でもクレジットカードのキャッシング機能を使って現金を借りられます。ただし、キャッシングで現金を借りるにはクレジットカードの「キャッシング枠」が必要です。
また、学生がクレジットカードにキャッシング枠をつけるには、「本人収入が必要」「カードによっては年齢制限がある」などの条件を満たす必要があります。
ここでは、学生がクレジットカードのキャッシングで現金を借りるための条件や、キャッシングを利用する際の注意点を解説します。
学生でもキャッシングで現金を借りられる
学生でもクレジットカードのキャッシング機能を使って銀行やコンビニATMで現金を借りられます。学生がキャッシングを利用するには、下記の条件を満たす必要があります。
学生がクレジットカードでキャッシングするための条件
- キャッシング枠つきのクレジットカードが必要
- 学生はアルバイト収入がないとキャッシング枠はつけられない
- 未成年者(18歳~19歳)はカード発行に親の同意が必要
- クレジットカードとキャッシングの審査に通る必要がある
キャッシングで現金を借りるにはキャッシング枠が必要
クレジットカードのキャッシング機能を利用するには、キャッシング枠(キャッシング利用限度額)が必要です。キャッシング枠とは「キャッシングでいくらまで現金を借りられるか」を表す金額のことです。仮に「キャッシング枠10万円」だとすると、最大10万円まで現金を借りられます。
キャッシング枠は、クレジットカードの申込画面で「希望キャッシング枠」の欄に希望金額を記入することで付けられます。また、すでにクレジットカードを持っている場合はキャッシング枠を追加で申し込むことも可能です。
クレジットカードには、通常のクレジットカード支払い(お買い物)する際に利用する「ショッピング枠」もあります。ショッピング枠とキャッシング枠は別物ですが、下記のように「総利用枠(合計で使える金額)」としてまとめて表記されている場合があります。
- 「ショッピング枠20万円、キャッシング枠10万円(総利用枠30万円)」
- 「クレジットカード総利用枠30万円(うちキャッシング枠10万円)」
クレジットカードによってはキャッシング年齢制限がある
カード会社によっては、クレジットカード申し込み条件の他に「キャッシング申し込み資格」や「キャッシング年齢制限」があります。原則としてクレジットカードのキャッシングは18歳以上なら利用可能ですが、「20歳以上」「学生はキャッシング不可」と記載されているクレジットカードもあります。
学生でキャッシングを利用したい場合は、「学生でもキャッシング申し込み可能」「18歳以上(もしくは20歳以上)ならキャッシング申し込み可能」と表記されているクレジットカードを選びましょう。
未成年の学生は親の同意が必要
クレジットカードは18歳以上なら作れますが、未成年者(18歳~19歳)の申し込みの場合は親の同意が必要です。もちろんキャッシングを利用するにはクレジットカードが必要なので、未成年者は親の同意がなければキャッシング機能を利用できません。
20歳以上の学生なら親の同意は不要なので、キャッシング枠を申し込んでも親に連絡はありません。また、クレジットカード発行時の書類や利用明細を親に見られなければ、キャッシングの利用が親にバレることもありません。
学生がキャッシングするにはアルバイト収入が必要
学生がキャッシング枠つきのクレジットカードを作るには、学生本人の収入(アルバイト収入)が必要です。キャッシング枠なし(0円)のクレジットカードなら、アルバイトをしていない学生でも作れます。
- キャッシング枠ありのクレジットカード:アルバイト収入が必要
- キャッシング枠なしのクレジットカード:アルバイト収入は不要
クレジットカードのキャッシング枠の上限金額は「年収の3分の1まで」と総量規制という法律で決まっています。そのため、学生のアルバイト収入がなければ「年収0円」となり、キャッシング枠はつけられないです。
学生のアルバイト収入(年収)はいくら必要?
学生は年収15万円以上あればキャッシング枠を申し込めます。ほとんどのカード会社はキャッシング枠の最低金額を「5万円」としているため、年収15万円あれば総量規制の「年収の3分の1」の法律に従って、キャッシング枠5万円のクレジットカードを発行できるからです。
学生のアルバイト年収 | キャッシング枠 |
---|---|
15万円 | 5万円 |
30万円 | 10万円 |
60万円 | 20万円 |
90万円 | 30万円 |
0円(収入なし) | 0円 |
年収15万円ということは、月収15,000円あれば計算上はキャッシング枠を付けられるということになります。土日や学校が休みの日だけ働いている学生でも、キャッシングを利用できるということです。
ただし、年収の3分の1が必ずキャッシング枠になるわけではありません。キャッシング枠はカード会社の審査結果で決まるので、仮に年収が60万円あったとしてもキャッシング枠が5万円や10万円になる場合もあります。
また、キャッシング枠を申し込むと、カード会社によっては収入証明書(給与明細書や源泉徴収票)の提出を求めてくる場合があります。法律上は50万円以上のキャッシングをする場合のみ収入証明書が必要なので、基本的に収入証明書の提出は不要です。
学生のキャッシング枠(利用限度額)は10万円程度
キャッシング枠は年収の3分の1まで付けられますが、学生のキャッシング枠は10万円程度となるのが一般的です。学生のアルバイトは安定的な収入ではないため、キャッシング枠を高額にすると返済されないリスク(貸し倒れ)がカード会社にあるからです。
しかし、クレジットカードやキャッシングを長期間利用すればカード会社に信用されるので「キャッシング枠の増額」ができます。クレジットカードを利用した履歴(信用情報)が積み重なっていけば、学生でも30万円程度のキャッシング枠をつけられます。
学生がキャッシングする際の注意点
学生がキャッシングする際の注意点を解説します。
キャッシングは金利手数料がかかる
キャッシングは借りた金額や期間に応じて金利手数料がかかります。クレジットカードのキャッシングは実質年率18.0%としているカード会社が多いです。
実質年率18.0%と言われても具体的な金利手数料(利息)がわかりにくいので、仮に10万円をキャッシングで借りた場合の返済金額を計算してみました。
キャッシングで10万円借りた場合の返済金額
返済方法 | 返済金額の合計(金利手数料含む) |
---|---|
1回払い | 101,479円(利息合計1,479円) |
リボ払い(10回払い) | 108,130円(利息合計8,130円) |
※金利手数料18.0%で計算、リボ払いは最終貸付後残高スライド方式で計算
上記のように、10万円を借りて翌月返済すると利息は1,479円です。また、リボ払の10回払い(10ヶ月で完済)だと利息は8,130円です。
キャッシングで借りる金額が高額になったり、借りる期間が長くなったりすると利息は高くなります。キャッシングするときは返済計画を立ててから利用しましょう。
キャッシング枠を申し込むと審査が厳しくなる
クレジットカードのキャッシング枠を申し込むとき、キャッシング審査が行われます。通常のクレジットカード発行の審査に加えて、キャッシング枠を付けても大丈夫かカード会社が審査します。
そのため、キャッシング枠なしでクレジットカードを申し込むよりも、キャッシング枠ありで申し込んだ方が審査は厳しくなります。審査が厳しくなるとは言っても、申込者に収入があって返済能力があると判断されれば問題なく審査に通ります。
また、キャッシングでお金を借りるタイミングで審査はありません。一度キャッシング枠つきのクレジットカードを手に入れれば、キャッシング枠の範囲内で何度でも現金を借りられます。
キャッシングで現金を借りる手順と返済方法
学生がキャッシングで現金を借りる手順と、返済方法を解説します。
キャッシングで現金を借りる手順
キャッシング枠つきのクレジットカードを持っていれば、銀行やコンビニATMでいつでも現金を借りられます。ATMの指示に従って、下記の手順で現金を引き出しましょう。
- 銀行やコンビニATMで「引き出し」を選択する
- クレジットカードをATMに挿入する
- クレジットカードの暗証番号を入力する
- 「借り入れ」を選択する
- 返済方法や返済回数を選択する
- 「借り入れ金額(実際に借りたい金額)」を入力する
- 現金・クレジットカード・利用明細を受け取る
借りたお金の返済方法
キャッシングで借りたお金の返済は、クレジットカード申込時に登録した銀行口座(クレジットカード料金支払いの口座)から自動的に引き落とされます。キャッシング料金の支払日は、毎月のクレジットカード料金の支払日と同じ日です。
返済回数はATMでお金を借りるときに選択した返済回数、もしくはクレジットカードに設定されている返済回数で返済します。一括払いで借りた場合は、翌月の支払日に借りたお金を一括で引き落とされます。
リボ払いや分割払いでキャッシングしたお金をすべて返済したい場合は、予定よりも早く返済する「繰り上げ返済」ができます。繰り上げ返済をすれば借り入れ金額が少なくなるので、複数回に分けて返済するよりも利息が安くなります。