海外キャッシングは現金両替よりも手数料が安い

海外の空港・銀行・両替所で行う現金両替よりも、クレジットカードの海外キャッシングの方が手数料は安いです。海外キャッシングはカード会社が設定した実質年率に応じた金利手数料がかかり、現金両替は為替手数料がかかります。現金両替の為替手数料は高いので、通常は海外キャッシングを利用した方が手数料は安くなります。

ここでは、海外キャッシングと現金両替の手数料について解説し、どっちの手数料が安いか比較します。

海外キャッシングの手数料

クレジットカードの海外キャッシング手数料は、金利手数料とATM利用手数料がかかります。海外キャッシングの金利手数料とATM利用手数料について解説します。

海外キャッシングの金利手数料

クレジットカードの海外キャッシング金利手数料は、カード会社が設定している実質年率によって決まります。多くのカード会社は海外キャッシングの金利手数料を実質年率18.0%に設定しています。

実質年率とは「1年間お金を借りた場合に発生する利息の割合」のことです。実質年率18.0%で10万円を借りて1年後に返済したとすると、10万円×18.0%なので金利手数料は18,000円になります。

しかし、海外キャッシングで借りたお金はすぐに返済するので、上記のように1年間も借りて金利手数料が高くなることはありません。実質年率18.0%で10万円借りて30日後に返済した場合、金利手数料は約1,480円です。

実質年率18.0%で10万円借りた場合の海外キャッシング金利手数料

海外キャッシングして返済するまでの期間 金利手数料
15日後に返済 約740円
30日後に返済 約1,480円
60日後に返済 約2,960円
1年後に返済 約18,000円

もちろん、借りる金額(元金)が少なかったり、実質年率が18.0%未満だったりする場合は、上記よりも金利手数料は安くなります。

海外キャッシングの金利手数料は下記の計算式で求められます。

引き出し金額×実質年率/365日×借りた日数=金利手数料

実質年率18.0%のクレジットカードで10万円を借りて30日後に返済した場合、下記のように計算できます。

10万円×0.18/365日×30日=金利手数料は約1,480円

海外キャッシングのATM利用手数料

海外キャッシングはATM利用手数料がかかる場合があります。ATM利用手数料はカード会社が決めているので、持っているクレジットカードによってATM利用手数料が異なります。

ほとんどのクレジットカードは、海外キャッシングのATM利用手数料が取り引きごとに100円~200円かかります。クレジットカードによってはATM利用手数料無料のカードもあります。

海外キャッシングのATM利用手数料は、カード会社のホームページで確認できます。

現金両替の手数料

海外の空港・銀行・両替所などで現金両替をすると手数料がかかります。両替の手数料は「両替手数料」と「為替手数料」の2つがあります。現金両替の際にかかる両替手数料と為替手数料について解説します。

為替手数料

現金両替のときに発生する為替手数料とは、為替レートによってかかる手数料です。日本円をドルに両替する場合、為替レートでは100円が何ドルになるかを表すため、100円ごとに為替手数料が発生することになります。

たとえば、100円をドルに両替すると1ドルになり、1ドルを日本円に両替すると95円になるとします。この場合、1ドルあたりの両替で5円損しているので、為替手数料は1ドルあたり5円かかっています。

  • 日本円をドルに両替:100円→1ドル
  • ドルを日本円に両替:1ドル→95円

上記の為替レートだった場合、10万円を現金両替すると5,000円の為替手数料がかかることになります。両替金額が高くなるほど為替手数料がかかります。

1ドルあたり5円の為替レート差額があった場合の為替手数料

両替金額 為替手数料
1万円 500円
5万円 2,500円
10万円 5,000円

両替手数料

現金両替のときに発生する両替手数料とは、両替の取り引き手数料です。両替手数料が3ドルだったとすると、1回の両替取り引きで3ドルかかります。日本のATMを利用すると手数料がかかるのと同じイメージです。

現金両替をするときには、基本的に両替手数料がかかります。銀行や空港では数ドル程度の両替手数料がかかります。両替所の場合、お店によって両替手数料が高かったり安かったりします。手数料をぼったくられないように、「How much is the commission?(手数料はいくらですか?)」と聞いてから両替しましょう。

また、両替所に「No Commission(手数料なし)」と書かれている場合、両替手数料はかかりません。これは両替手数料が無料という意味なので、為替手数料は別途かかります。

両替手数料は1回の取り引きごとに手数料が発生するため、1万円を両替しても10万円を両替しても両替手数料は同じです。何度も現金両替するとその分両替手数料がかかるので、1回の取り引きで済ませた方が両替手数料は安くなります。

海外キャッシングと現金両替の手数料比較

今回説明した海外キャッシング手数料と現金両替手数料を元に、海外キャッシングと現金両替の手数料を比較します。

下記のように海外キャッシング手数料は合計1,580円なのに対して、現金両替は5,500円も手数料がかかります。現金両替よりも、海外キャッシングの方が3,920円お得です。

海外キャッシング・現金両替で10万円を両替した場合の手数料比較

手数料項目 海外キャッシング 現金両替
金利手数料・為替手数料 1,480円 5,000円
ATM手数料・両替手数料 100円 500円
手数料の合計 1,580円 5,500円

※海外キャッシングは実質年率18.0%で30日後に返済として計算
※現金両替は為替レートの差額が1ドルあたり5円で計算

クレジットカードの海外キャッシングは、利用から返済までの期間が短くなれば更に金利手数料は安くなります。また、海外キャッシングはどこの国で利用しても実質年率は一定なので、為替レートのように面倒な計算が必要ありません。

現金両替は両替所によって為替レートが高い場合があるので、上記よりも手数料がかかってしまう可能性があります。海外キャッシングなら為替手数料をぼったくられないので、海外キャッシングの方が安心です。

海外では現金よりもクレジットカード支払いがお得

日本でクレジットカードの一括払いで支払っても手数料はかかりませんが、海外ではクレジットカードの一括払いでも手数料がかかります。しかし、クレジットカード支払いの手数料は安いので、海外では現地通貨を使って現金で支払うよりもクレジットカード支払いした方がお得です。

海外のクレジットカード支払いは、クレジットカードの国際ブランドによって異なります。VISAとMastercardは手数料1.63%、JCBは1.60%です。つまり、100円の支払いで1.63円しか手数料はかかりません。

クレジットカードの国際ブランド 手数料
VISA 1.63%
Mastercard(マスターカード) 1.63%
JCB 1.60%

※カード会社によって多少手数料に違いがあります。

クレジットカードで10万円を支払った場合、手数料は1630円です。上記で説明している海外キャッシングの手数料(1,580円)とほとんど変わりません。

また、クレジットカード支払いなら現金が手元に残らないので、帰国時に海外の現地通貨を日本円に両替する必要がないです。現金は日本円に両替するときにも手数料がかかるので、クレジットカード支払いの方がお得になるケースがほとんどです。

ただし、海外のお店によっては現金支払いしか対応していない場合もあるので、必ず現金も持ち歩きましょう。クレジットカードの支払いに対応しているお店ではクレジットカードで支払い、支払いが現金のみのお店では海外キャッシングで引き出した現金で支払うのが最もお得です。