クレジットカードの審査では、自己破産や任意整理の履歴、クレジットカードの延滞履歴など、過去の返済情報が最も重要視されます。過去に延滞などがクレジットカードを申し込んでも高確率で審査落ちになります。
クレジットカードの審査項目と重要度
審査項目 | 重要度 |
---|---|
自己破産・任意整理の履歴 | 高 |
クレジットカードやローンの返済延滞 | 高 |
他社借入残額 | 高 |
申し込みブラック(複数申し込み) | 高 |
申し込み内容の記入ミス | 中 |
申し込み内容の嘘 | 中 |
収入 | 中 |
キャッシング枠の申し込み | 中 |
職業(雇用形態) | 中 |
年齢 | 中 |
資産 | 中 |
居住年数 | 中 |
勤続年数 | 中 |
在籍確認の電話 | 中 |
本人確認の電話 | 中 |
上記の表で重要度「高」の項目に該当する方は、クレジットカードの審査に通るのは難しいでしょう。重要度「中」の項目でも、カード申込者の返済能力がないと判断されるとクレジットカードの審査に落ちます。
また、カード会社や上記のような審査項目に沿って、それぞれの項目に点数を付ける「スコアリング」を行います。カード会社ごとにスコアリング点数の審査通過基準を設けており、スコアリングの総合点数が低い場合も審査落ちとなります。
クレジットカードの審査項目・審査基準
カード会社はクレジットカードの申し込み資格の基準を満たしている方に対して、クレジットカードの審査を行います。クレジットカードの審査に落ちないように、クレジットカードの審査項目について解説します。
自己破産・任意整理の履歴
過去に自己破産や任意整理を行った方は、クレジットカードの審査に通りにくくなります。自己破産や任意整理の履歴は個人信用情報機関という機関に記録されており、5年~10年記録が残り続けます。
信用情報に悪い履歴が残っていることを「ブラックリスト」と言います。個人信用情報機関のデータを照会すると「異動情報」と記録されており、カード会社はこの履歴を見て審査落ちを判断します。
自己破産や任意整理をした方の記録は5年~10年残り続けるので、クレジットカードを作るには「異動情報」の記録が消えるのを待つしかありません。
クレジットカードやローンの返済延滞
過去にクレジットカードやカードローンなどの返済延滞があった方は、クレジットカードの審査に通りにくくなります。
ただし、銀行口座に入金を忘れていて1ヶ月~2ヶ月ほど延滞した程度であれば、クレジットカードの審査に影響はほとんどありません。クレジットカードの審査に通りにくくなる延滞は、2ヶ月以上の長期延滞です。
クレジットカードの審査に通りにくくなる延滞
- クレジットカードの返済延滞
- リボ払いの返済延滞
- カードローン(キャッシング)の返済延滞
- 携帯電話本体購入費用の返済延滞(割賦払い)
クレジットカードの返済延滞をすると、すでに持っているクレジットカードが強制解約になる可能性もあります。強制解約は返済延滞よりも悪いブラックリスト情報として個人信用情報機関に残るので、延滞しないように注意しましょう。
他社借入残額
クレジットカードの審査では、カードローン(キャッシング)でお金を借りている状態だと審査に通りにくいです。ただし、他社借入があっても借入金額が少額なら問題なくクレジットカード審査に通過する場合もあります。
他社借入金額がいくらだと審査に通らないという基準はないため、カード会社の審査基準や他の項目のスコアリング総合点数次第ではそれなりに借入があっても審査に通過する可能性はあります。
クレジットカードの申し込み時には、他社借入残額を入力する欄があるため、お金を借りている人は他社借入残額を記入する必要があります。他社借入残額は個人信用情報機関に記録されるため、他社借入残額の欄で嘘を記入するとカード会社にバレて審査に落ちます。必ず正しい借入残額を記入しましょう。
現在他社借入が残っている方は、クレジットカードを申し込む前に返済しておけば審査通過率はアップします。借入を返済できる方は、先に返済してからクレジットカードを申し込みましょう。
申し込みブラック(複数申し込み)
申し込みブラック(複数申し込み)とは、短期間のうちに複数のクレジットカードを申し込んだことにより、クレジットカードの審査に通らなくなる状態です。一般的には半年以内に3枚~5枚以上クレジットカードを申し込むと、申し込みブラックになる可能性があると言われています。
なぜカード会社が他のクレジットカードを申し込んだことを知っているかと言うと、クレジットカードの申し込み履歴が個人信用情報機関に6ヶ月間記録されるからです。個人信用情報機関に「申し込みブラック」と記録されるわけではなく、カード会社が「最近クレジットカードの申し込みが多いようだ」「お金に困っているのでは?」と判断するため、審査が不利になります。
そのため、申し込みブラックの状態でもカード会社によってはクレジットカードを発行する場合もあります。カード会社の審査基準次第ですが、6ヶ月以内に5枚以上のクレジットカードを申し込むと申し込みブラックの判定をされる可能性が高いため、やめておいた方が良いです。
申し込み内容の記入ミス
クレジットカードの申し込み内容に記入ミスがあった場合、クレジットカードの審査に落ちる可能性があります。個人情報として重要な「住所」「電話番号」はミスがないよう記入しましょう。申込書は手書きなので記入ミスが多いと言われており、インターネットから申し込む方が記入ミスは少なくなります。
記入ミスがあった場合でも、審査にそれほど影響しない項目であればカード会社は申し込み内容に沿って審査を行ってくれます。ミスの内容によっては、本人確認の電話で「住所は○○で合ってますか?」「年齢は○○歳で合ってますか?」といったように、確認される場合もあります。
申し込み内容の嘘
申し込み内容で嘘をついた場合、カード会社にバレて審査に落ちます。カード会社は個人信用情報機関に記録された情報、クレジットカード受け取り時に提示する本人確認書類で申し込み情報が正しいか判断しています。クレジットカード申し込み時には、必ず正しい情報を記入しましょう。
嘘をついたらカード会社にバレる項目
- 他社借入金額
- 勤続年数
- 生年月日
- その他、カード会社が確認可能な情報
また、クレジットカードのキャッシング枠を希望する場合、申し込み時に収入証明書の提出する必要があります。収入証明書を提出すると昨年度の年収もカード会社は把握できます。
収入
クレジットカードの審査において、カード申込者の収入は重要です。クレジットカード支払いは一時的にカード会社がお金を肩代わりしているので、収入が少なくて返済能力が低いと判断された方にはクレジットカードが発行されません。
ただし、イオンカードのように学生の方、専業主婦の方など、本人収入がなくても世帯収入があれば申し込みできるクレジットカードもあります。
就職したばかりの20代の会社員であれば年収130万円~200万円、社会人歴が長い30代の会社員であれば年収180万円~250万円くらいが審査通過の年収目安です。ただし、審査が厳しいクレジットカードなど、カード会社が収入を重視の審査をしている場合は上記以上の収入が必要になります。
また、収入が少ないという理由だけで審査に落ちるわけではありません。カード申込者の勤続年数、家族構成、住んでいる地域など、様々な情報を元にスコアリング点数を付けて審査を行います。
キャッシング枠の申し込み
クレジットカードにはお金を借りるキャッシング機能があり、カード申し込み時にお金を借りられる金額「キャッシング枠」を申請します。キャッシング枠を希望した場合、カード会社にはお金を貸すリスクが増えるため審査に通りにくくなります。
また、キャッシングを希望すると収入証明書の提出が必要になり、カード会社はカード申込者の正確な収入を把握できます。収入が多い方なら収入証明書の提出により審査で有利になる場合もありますが、収入が少ない方にとっては審査で不利になります。
そのため、キャッシングをする予定がない方はキャッシング枠を「0円」で申請することをおすすめします。キャッシング枠0円にすることで審査通過率が上がる可能性があり、収入証明書を提出する手間もかかりません。
職業(雇用形態)
職業、雇用形態はカード申込者の返済能力を判断できる要素です。収入が安定している職業の方はクレジットカードの審査に通りやすくなります。
職業ごとのクレジットカード審査の通りやすさ
職業 | 審査 |
---|---|
会社員 | 通りやすい |
公務員 | 通りやすい |
大学生 | 通りやすい |
派遣社員、契約社員 | 少し通りにくい |
自営業 | 少し通りにくい |
フリーター(アルバイト) | 少し通りにくい |
主婦、専業主婦 | 少し通りにくい |
無職 | 通らない |
特に会社員や公務員で勤続年数が長ければ、スコアリング点数が非常に高くなり審査が有利になります。また、カード会社は若い方にクレジットカードを発行して固定客を増やしたいと考えているので、大学生もクレジットカードの審査に通りやすいです。
対して、派遣社員や契約社員、自営業者、フリーターや主婦など、収入が安定しない職業や収入が少ない職業はスコアリング点数が低くなります。無職の方は返済能力がないため、クレジットカードの審査に通りません。
年齢
基本的にクレジットカードの申し込み資格には「18歳以上(高校生不可)」という条件があります。年齢制限があるということは年齢が高い方が審査に有利だと思いがちですが、実際は年齢が若い方が審査に通りやすいです。
特に18歳~25歳くらいで初めてクレジットカードを作る年齢の方は、スコアリング点数が高くなり審査が通りやすいです。初めてのクレジットカードが発行されれば、今後とも同じクレジットカードを使ってカード会社の利益になりやすいからです。
歳をとればとるほど、基本的にクレジットカードの審査は不利になります。30代~50代で初めてクレジットカードを作る方は、これまでクレジットカードの使った履歴がない「信用履歴がない(ホワイト)」真っ白な状態です。日本人の多くはクレジットカードを持っているので、こういった方に対してカード会社は「10年以上前にクレジットカードでトラブルがあったのでは?」「過去に自己破産したのでは?」と疑い、審査に落ちやすいです。
資産
安定した収入があることがクレジットカードの審査で重要ですが、お金の面でその次に重要なのが資産です。
クレジットカードの審査で見られる資産とは「住宅」のことです。住宅が持ち家であれば家を買うだけのお金を持っている家庭と判断され、審査に通りやすいです。賃貸マンション、賃貸アパートに住んでいると持ち家よりも審査で少し不利になります。ただし、基本的にどのような家に住んでいるかカード会社が確認するわけではないため、審査結果への影響は少ないです。
銀行の預金残高が少なくてもクレジットカードの審査に影響はありません。カード会社はカード申込者の預金残高を確認する手段がないため、銀行口座にあまりお金が入っていなくても問題なく審査に通ります。
居住年数
居住年数が長いとクレジットカードの審査で有利になります。居住年数が長いと、長期間安定して同じ場所に住めるだけの経済力があると見なされます。
一人暮らしを始めたばかりの人や引っ越したばかりの人でも、審査でマイナス評価をされることはありません。居住年数が長いとスコアリング点数が少し高くなるくらいなので、あまり気にする必要はないです。
ご両親が建てた実家に住んでいる方は実家を建ててからの築年数、自身が生まれる前から実家が建っていた場合は自身の年齢と同じ年数で申請すると良いでしょう。どうしても居住年数がわからない場合は、おおよその年数を記入しても問題ありません。
勤続年数
勤続年数は長いほどクレジットカード審査で有利になります。勤続年数が長いと、これからも安定した収入を得られてクレジットカード支払いの返済能力があると見なされるからです。
勤続年数が短くてもクレジットカードを申し込みできますが、就職や転職してから3ヶ月未満の方は審査に落ちやすいです。勤め先の会社が変わったばかりの方は、少し期間をあけてから申し込んだ方が良いでしょう。
在籍確認の電話
在籍確認の電話はカード申込者が務めている会社に対し、カード会社が電話をかけることです。在籍確認の電話では、カード申し込み時に記入された勤め先で本当にカード申込者が働いているか確認するための作業です。
在籍確認は会社に電話が繋がって、カード申込者が務めているか確認できれば完了です。会社にかかってきた電話をカード申込者本人が取る必要はありません。
在籍確認の電話はクレジットカードの審査がある程度完了した段階でかかってきます。本当にクレジットカードを発行して大丈夫かカード会社が確認するための作業なので、在籍確認が取れればクレジットカードが発行される可能性が高いです。
本人確認の電話
本人確認の電話はカード申込者の携帯電話料金、もしくは自宅の電話にカード会社が電話をかけることです。本人確認の電話は、カード申込者の電話番号が間違っていないか確認するための作業、本人がクレジットカードを申し込んだということで間違いないか確認する作業です。
以前は、自宅に固定電話があればクレジットカードの審査で有利になると言われていましたが、近年では固定電話を設置せずに携帯電話だけ持っている家庭も多いです。そのため、携帯電話しか持っていなくても本人確認さえできれば審査に影響は与えません。
本人確認の電話に出られなかった場合は、数日後にまたカード会社は電話をかけます。本人確認が取れないとクレジットカードを発行できないケースもあるため、クレジットカードを申し込んだら知らない電話番号からかかってきた電話でも取るようにしましょう。