法人クレジットカード(法人カード)とは、会社や個人事業主の方向けに発行されているクレジットカードです。一般的な買い物に利用するクレジットカードとは異なり、経費精算を楽にするために利用したり、高速道路料金を支払うETCカードを発行するために利用されたりします。
法人クレジットカードは2種類ある
法人クレジットカードは個人事業主や中小企業向けに発行される「ビジネスカード」と、大企業向けに発行される「コーポレートカード」があります。
ビジネスカードは年会費無料のクレジットカードが多い代わりに、利用限度額が低めに設定されています。コーポレートカードは年会費無料・有料ともにあり、規模が大きい会社向けに作られており利用限度額はビジネスカードよりも高く設定されています。
項目 | ビジネスカード | コーポレートカード |
---|---|---|
会社の規模 | 個人事業主・中小企業 | 大企業 |
社員数の目安 | 1名~30名程度 | 30名以上 |
年会費 | 無料のカードが多い | 年会費無料もしくは有料 |
利用限度額 | 低い | 高い |
カード発行枚数上限 | 基本的に上限あり | 上限なし |
カード利用料金は法人名義の口座から引き落とされる
法人クレジットカードのカード利用料金は法人名義の銀行口座から引き落としされます。そのため、社員が経費を肩代わりする必要がなくなり、旅費や経費が多くなった月でも社員に負担がかかりません。
また、カード料金を何の支払いに使ったか利用明細で確認することができます。
法人クレジットカードのメリット
法人クレジットカードのメリットを紹介します。
経費精算が楽になる
法人クレジットカードはカード会員専用のサイトで利用明細を確認できます。カード利用料金が何の支払いか一覧で確認できるため、経費精算が楽になります。
これは、社員が経費精算書を書いている場合は時間の削減になり、経理が精算処理をしている場合は集計しやすくなることを意味します。また、クレジットカードで支払いすると利用料金がデータとして残るため、用紙(経費精算書)で処理する際の記入ミスなどもなくなります。
社員に負担がかからない
法人クレジットカードはカード利用料金が法人名義の口座から引き落とされるため、社員が経費を立て替える必要がなくなり負担がかかりません。
法人クレジットカードで支払えば、社員が領収書を取っておいて月末に処理する必要もないため、領収書を紛失する危険性もなくなります。
また、社員は「今月はいくら経費に使っていて、実際の預金残高はいくら残っているのか?」などを気にする必要がなくなります。
法人クレジットカードの特典を利用できる
法人クレジットカードには下記のような特典が用意されています。
- カード利用料金に対してポイント還元
- 旅行中(出張中)のケガが補償される旅行保険
- コンシェルジュサービス
複数名の従業員がいるのであれば、経費の合計金額も多くなるので個人で利用するクレジットカードよりもポイントが貯まりやすいです。
出張が多い会社であれば、出張中のケガが補償される旅行保険の特典を利用できます。
法人クレジットカードによっては、コンシェルジュサービスが付いています。コンシェルジュサービスはホテルや飛行機チケットの予約、取引先企業への贈り物の手配などをお願いすることができ、業務に関係のない時間を削減できます。
法人クレジットカードの審査
法人クレジットカードの審査で重要なことは下記の3点です。
- 会社の設立年数
- 直近数年の売上高
- 社長(代表者)の信用情報
会社の設立年数
会社の設立年数は、設立から年数が経っているほど審査で有利になります。設立年数が長いほど、カード会社は「数年以上経営できている信頼できる企業」と判断するからです。一般的には2年~3年以上の設立年数であれば法人クレジットカードの審査で有利になると言われています。
直近数年の売上高
また、企業の直近の売上高も審査で重要です。過去数年間、赤字が続いていたり、売上高が少なかったりするとカード会社に貸し倒れのリスクがあるため審査に落ちやすくなります。逆に黒字続きで調子が良い企業であれば、法人クレジットカードの審査に通りやすくなります。
社長(代表者)の信用情報
社長(代表者)の信用情報は、代表者の借金状況や過去のローン返済履歴などをチェックされます。会社設立時に借金が多かったり、過去にローン返済の延滞などがあったりすると審査に落ちやすくなります。