新社会人がクレジットカードを選ぶ基準は?申し込み・使い方の注意点を解説

新社会人で初めてクレジットカードを作るという方は、どんな基準でクレジットカードを選べば良いかわからないと思います。

また、カード申し込み時の記入を間違えるとカード審査に落ちてしまうので、クレジットカードを作る前に正しい申し込み方法を知っておくことが大切です。クレジットカードを使い始めてから、支払い方法を間違ってしまうと金利手数料(利息)がかかってしまう場合もあります。

ここでは、新社会人の方がクレジットカードの申し込み方や使い方を間違えないように注意点を解説します。

新社会人がクレジットカードを選ぶ基準

新社会人の方がクレジットカードを作るときには、下記の基準でクレジットカードを選びましょう。

カードを選ぶ基準 カードの選び方
年会費 年会費無料のカードを選ぶ
ポイント ポイントが貯まりやすいカードを選ぶ
国際ブランド 加盟店数が多い国際ブランドを選ぶ
審査 新社会人でも審査に通るカードを選ぶ
利用限度額 利用限度額が高いカードを選ぶ
ステータス性 信用力を高められるカードを選ぶ
海外旅行傷害保険 海外出張や海外旅行に行くなら海外旅行傷害保険が付いたカードを選ぶ

年会費

クレジットカードは年会費無料のカードと、年会費有料のカードがあります。年会費無料のクレジットカードでも「初年度年会費無料」と記載されたカードは2年目以降に年会費がかかります。

  • 年会費無料:年会費はずっと無料
  • 年会費初年度無料:2年目以降は年会費がかかる
  • 年会費有料:1年目から年会費がかかる

新社会人の方で初めてクレジットカードを作るなら、まずは年会費無料のクレジットカードを選びましょう。年会費無料のクレジットカードなら、将来的にカードを使わなくなったとしても年会費がかかりません。また、年会費無料のクレジットカードは「多くの人にカード発行してもらうため」に年会費無料としているので、比較的審査に通りやすいです。

すでにクレジットカードを持っていてカードの使い方に慣れているなら、年会費有料のクレジットカードを選ぶのも良いです。年会費有料のクレジットカードでも自分が普段利用するお店やサービスで特典が付いていれば、年会費以上の価値があります。

ポイント

クレジットカードは支払い料金に応じてポイントが付きます。支払い100円ごとに1ポイント(ポイント還元率1%)もしくは支払い200円ごとに1ポイント(ポイント還元率0.5%)のクレジットカードが多いです。

クレジットカードはポイント還元率が高いほどお得になります。ポイント還元率0.5%なら普通、ポイント還元率1%以上ならポイント高還元率クレジットカードと呼ばれます。

  • ポイント還元率0.5%のカード:普通
  • ポイント還元率1%のカード:ポイント高還元率クレジットカード

年会費無料のクレジットカードでも、ポイント還元率1%以上のクレジットカードがあります。クレジットカードを作るなら、ポイント還元率1%以上のクレジットカードの中から選ぶことをおすすめします。

国際ブランド

クレジットカードは「VISA」「Mastercard(マスターカード)」「JCB」などの国際ブランドが1つ付きます。基本的にはどの国際ブランドを選んでも日本国内の支払いで困ることはありませんが、「VISA」と「Mastercard」の国際ブランドは加盟店数が多く支払いに対応しているお店が多いです。

  • VISA:国内・海外ともに使いやすい
  • Mastercard:国内・海外ともに使いやすい
  • JCB:日本では使いやすい、海外では使いにくい

初めてクレジットカードを作るなら、VISAかMastercardの国際ブランドをおすすめします。海外旅行や海外出張に行く予定がない方なら、JCBの国際ブランドを選んでも良いでしょう。

審査

クレジットカードを申し込むと必ず審査があります。審査に通らないとクレジットカードは発行されず、一度審査に落ちてしまうと他のクレジットカードも審査に通りにくくなります。

カード会社は個人信用情報機関という機関の「カード申し込み情報」を照会して審査を行っています。過去に他のクレジットカード審査に落ちた履歴は全てのカード会社が共有しているため、1枚目のクレジットカード審査に落ちてしまうと今後の審査にも影響します。

そのため、新社会人の方がクレジットカードを作るときは審査が厳しいカードを申し込まないようにしましょう。1枚目のクレジットカード申し込みで「ゴールドカード」のような年収が高いクレジットカードは申し込まず、年会費無料の一般カードを申し込みましょう。

利用限度額

利用限度額(ショッピング枠)とは、1ヶ月間にクレジットカード支払いできる金額の上限のことです。カード料金の合計金額が利用限度額をオーバーすると、カード料金を返済するまでクレジットカードで支払いが一時的にできなくなります。

一般的に、クレジットカードの新規発行を申し込むと、利用限度額が10万円~50万円程度が設定されます。利用限度額はカード会社が審査を行った結果に基づいて自動的に決まります。

カード申込者が利用限度額を希望することはできません。しかし、クレジットカードによって利用限度額が高く設定されやすいカードと、低く設定されやすいカードがあります。利用限度額が高く設定されやすいカードは銀行が発行する「銀行系クレジットカード」で、利用限度額が低く設定されやすいカードはスーパーやコンビニなどが発行する「流通系クレジットカード」です。

  • 銀行系クレジットカード(銀行):利用限度額が高く設定されやすい
  • 流通系クレジットカード(スーパー・コンビニ):利用限度額が低く設定されやすい

入社する会社によっては、仕事の経費支払いなどで1ヶ月間の出費が多くなることもあります。そういった方は、利用限度額が高く設定されやすい銀行系クレジットカードを申し込むと良いでしょう。また、利用限度額は後から増額審査することもできるので、緊急で利用限度額が必要ない方は流通系クレジットカードを作っても良いでしょう。

ステータス性

ステータス性とは「信用力」のことです。たとえば、ゴールドカードやプラチナカード、銀行が発行する銀行系クレジットカードもステータス性が高いです。

ステータス性が高いクレジットカードを持っていると、将来クレジットカード審査や、自動車ローン・住宅ローンの審査に通りやすくなります。そのため、若いうちにステータス性が高いクレジットカードを持っておいた方が良いと言われています。

新社会人の方が1枚目からゴールドカードやプラチナカードを申し込んでも審査に通らないので、ステータス性が高いクレジットカードを持ちたい方は銀行系クレジットカードを申し込むと良いでしょう。

海外旅行傷害保険

新社会人の方で海外出張や海外旅行の予定があるなら、海外旅行傷害保険が付いたクレジットカードを選びましょう。

海外旅行傷害保険とは、海外旅行中に病気やケガがあったときに補償される保険です。海外旅行傷害保険が付いているクレジットカードと付いていないクレジットカードがあります。

海外に行くときは、旅行会社が提供している海外旅行保険に加入するか、海外旅行傷害保険がついているクレジットカードを作るのが一般的です。海外は日本よりも医療費が高いので、海外旅行保険がないとケガや病気があったときに100万円以上の高額な医療費がかかる場合もあります。

新社会人がクレジットカードを申し込む際の注意点

クレジットカードの申し込み方を間違ってしまうと、入会審査に落ちてしまう可能性があります。新社会人がクレジットカードを申し込む際の注意点を解説します。

年収は見込み年収を記入する

入社1年目の新社会人の方は、勤続年数が1年未満なので年収がわかりません。そのため、クレジットカード申し込み時の年収欄には見込み年収を記入します。

見込み年収とは、会社に務め続けていた場合にもらえる年収の見込み金額のことです。たとえば、月収20万円の場合は月収20万円×12ヶ月=240万円になるので、見込み年収は240万円です。また、ボーナスがある会社に務めている場合にはボーナスの金額も見込み年収に含みます。会社によってボーナスは月収の1ヶ月分~2ヶ月分のように決まっているので、ボーナス金額を計算して見込み年収に加算しましょう。

見込み年収の計算例

  • 月収20万円の場合:月収20万円×12ヶ月=見込み年収240万円
  • 月収20万円+年にボーナス20万円が2回の場合:月収20万円×12ヶ月+年間ボーナス40万円=見込み年収280万円

年収は保険料や税金が引かれる前の給料を入力する

クレジットカードの申し込み時に申請する年収は、給料から保険料や税金が引かれる前の金額を入力します。給与明細に「総支給額金額」と記載されているのが保険料や税金が引かれる前の給料です。「差引支給額」や「銀行振込額」に記載されている金額は保険料や税金が引かれた金額となっています。

会社に入社したばかりで給与明細がない場合、事前に知らされている基本給を元におおよその年収を計算して、カード申し込み時に申請すれば問題ありません。

クレジットカードの同時申し込み・多重申し込みに注意

複数のクレジットカードを同時に申し込む「同時申し込み」や、6ヶ月以内に3枚~5枚以上のクレジットカードを申し込む「多重申し込み」をすると、クレジットカードの審査に通りにくくなります。

  • 同時申し込み:同時に複数のクレジットカードを申し込むこと
  • 多重申し込み:6ヶ月以内に3枚~5枚以上のクレジットカードを申し込むこと

カード会社は、同時申し込みや多重申し込みがあると「自社のクレジットカードを使ってくれないのでは?」「クレジットカードの不正利用が目的なのでは?」と疑います。カード会社から怪しまれないためにも、クレジットカードは1枚ずつ申し込みましょう。

クレジットカードを作って信用力を高める

クレジットカードはポイントが貯まったりお店の割引特典があったりしてお得ですが、メリットはそれだけではありません。

クレジットカードを使用した履歴は個人信用情報機関に記録され、毎月カード料金を返済している優良な支払い履歴が残っていると信用力が高まります。信用力が高まると、今後のクレジットカード審査や自動車ローン審査・住宅ローン審査に通りやすくなります。

クレジットカードの使い方に関する注意点

クレジットカードの使い方を間違ってしまうと、クレジットカード利用料金に金利手数料がかかってしまったり、信用情報に傷が付いたりします。新社会人の方がクレジットカードを使う上で、気をつけておきたい注意点を解説します。

一括払いで支払う

クレジットカードの一括払いは金利手数料(利息)がかかりません。通常の買い物で支払うときは、一括払いで支払いましょう。

クレジットカードの支払い方法のうち、3回払い以上の分割払い・リボ払いは金利手数料がかかります。分割払いは支払い金額を好きな分割回数で支払う方法、リボ払いは毎月決まった金額を返済する支払い方法です。特にリボ払いは知らない間に返済金額が高額になることが多いです。

また、現金をATMで借りられるキャッシングを利用した場合にも金利手数料がかかります。

支払い方法 金利手数料
一括払い 金利手数料はかからない
3回以上の分割払い 金利手数料がかかる
リボ払い(リボルビング払い) 金利手数料がかかる
キャッシング 金利手数料がかかる

カード料金の返済を延滞しないようにする

クレジットカード料金の返済が延滞すると、個人信用情報機関に返済延滞の情報が記録されます。これを「異動情報(ブラックリスト)」と言い、今後クレジットカードの審査に通りにくくなる状態です。数日程度の返済延滞であればほとんど信用情報が傷つくことはありませんが、2ヶ月以上の長期延滞をすると信用力がなくなります。

クレジットカード料金の延滞が起こる原因で多いのが、銀行口座の残高不足です。クレジットカード料金の引き落とし口座が残高不足にならないよう、給与振込口座をクレジットカード料金の引き落とし口座に設定しておくと良いでしょう。

また、クレジットカードの使いすぎには注意しましょう。クレジットカード料金の返済が難しい場合、早めにカード会社に電話して相談しましょう。

利用明細は毎月確認する

クレジットカードの利用明細を確認しないと、クレジットカードの不正利用があったときに気づかない可能性が高いです。多くのカード会社では不正利用補償があり「不正利用から2ヶ月以内にカード会社に連絡すれば全額補償」のようになっています。毎月利用明細を確認しておけば、第三者からクレジットカードを不正利用されたとしてもカード会社が肩代わりしてくれます。

また、知らないうちにリボ払いになっていて、高額請求されてしまったという事件もあります。支払い方法がリボ払いになっていても、利用明細を確認してすぐに気付けば金利手数料はあまりかからないので、すぐに支払い方法の変更手続きができます。

利用明細はカード会員専用サイトから確認したり、スマートフォンアプリから確認したりできます。確認を忘れてしまいそうな方は、クレジットカードを作ってから利用明細のハガキが自宅に届くよう、カード会員専用サイトやスマートフォンアプリから設定しておきましょう。