学生が初めてクレジットカードを作るときに知っておきたいこと

学生が初めてクレジットカードを作るとき、さまざまな疑問があると思います。

  • 学生でもクレジットカードは作れる?
  • クレジットカードを作るときに必要なものは?
  • どのクレジットカードを選べば良い?
  • クレジットカードにはどんなメリットがある?
  • クレジットカードの使い方に関する注意点は?

このページでは、上記の疑問をそれぞれ解決していきます。

学生は本人収入がなくてもクレジットカードを作れる

通常、クレジットカードは収入がないと作れませんが、学生の場合は本人収入がなくても申し込みできます。多くの学生は親の収入で生活しているので、カード会社は申込時に記入された世帯年収(家族全体の年収)を元に審査を行い、問題なければカードが発行されます。

「家族の年収を審査されるのは不安」と思うかもしれませんが、普通に生活できるだけの経済力があれば、通常は問題なくクレジットカード審査に通ります。

未成年者(18歳~19歳)は親の同意が必要

未成年者(18歳~19歳)はクレジットカードを作るときに親の同意が必ず必要です。親の同意とは、両親に「クレジットカードを作って良い」という許可をもらうことを言います。そのため、未成年者がクレジットカードを作る場合、申し込み前に両親にクレジットカードを作って良いという許可をもらいましょう。

通常、クレジットカードの申し込みを行うと、カード会社は本人確認の電話で親権者の同意確認を行います。また、カード会社によっては「親権者の同意書」という書類を送って、親権者のサインが必要としている場合もあります。いずれにしても、カード会社に「両親がクレジットカードを作ることを許可している」と伝われば問題ありません。

20歳以上の学生(主に20歳~21歳)の方は、親の同意は必要ないです。日本の法律では、20歳以上であれば本人の意思でクレジットカードを契約できるからです。もちろん、両親がクレジットカードを作ることに反対していたとしても、入会審査に通ればクレジットカードを作れます。

学生がクレジットカードを作るメリット

現金があればクレジットカードはなくても困らないという方も多いと思いますが、クレジットカードを持っていれば支払いが楽になり、ポイントが貯まるのでお得です。

ここでは、学生がクレジットカードを作ったときどのようなメリットがあるか紹介していきます。

ネットショッピングの支払いが楽になる

スマートフォンやパソコンでネットショップを利用したり、メルカリなどのサービスを利用したりするときクレジットカードがあれば、銀行振り込みやコンビニ支払いの手間がかかりません。また、商品代引きによる代引き手数料もかからなくなるので、手数料が節約できます。

たとえば、クレジットカードを持っていないと、下記のようなネットショップやオークションサイトを利用する度に振り込みをしなければいけません。しかし、クレジットカードを利用するサイトで登録しておけば「クレジットカード支払い」を選択するだけですぐに支払い手続きができます。

  • Amazon
  • 楽天市場
  • メルカリ
  • Yahoo!ショッピング
  • ZOZOTOWN

動画や音楽など月額サービスの支払いができる

月額制の動画配信サービスや音楽配信サービス(サブスクリプションサービス)は基本的に支払い方法が「クレジットカード支払い」となっています。銀行振り込みやコンビニ支払いができないので、クレジットカードを持っていないとサービスが利用できません。

  • Hulu
  • Netflix
  • U-NEXT
  • Amazonプライム
  • Spotify
  • LINE MUSIC
  • Apple Music

月額制サービスは毎月料金を支払う必要があるため、長期的にサービスを利用してもらうため基本的にクレジットカード支払いとなっています。上記以外でも、月額制のサービスを利用するならクレジットカードを持っておけば毎月の料金支払いを忘れずにできます。

社会的に信用力が高まる

クレジットカードを利用すると信用情報(クレジットカード利用履歴・クレジットヒストリー)が個人信用情報機関という機関に記録されます。毎月クレジットカード料金をきちんと返済していれば良い信用情報が記録され、社会的な信用力が高まります。

良い信用情報の記録が残ると、下記のような審査に通りやすくなります。学生のうちにクレジットカードを使って良い信用情報を残しておけば、今後の審査で有利になります。

  • マンションやアパートなど賃貸物件の入居審査
  • クレジットカードの審査
  • 自動車ローンの審査
  • 住宅ローンの審査
  • カードローンの審査

ポイントが貯まる

クレジットカードはカード利用料金に応じてポイントが貯まります。クレジットカードはどのお店で支払ってもポイントが付くため、ポイントカードやお店の会員アプリなどと違ってお店を気にせずポイントを貯められるのがメリットです。

ポイントは「カード利用料金200円ごとに1ポイント付与」や「カード利用料金1,000円ごとに5ポイント付与」など、クレジットカードによってポイント制度は異なります。

たとえば、100円で1ポイント(1円相当)貯まるクレジットカードなら、1年間で10万円分のカード利用があれば1,000円相当のポイントが貯まります。1年間で100万円のカード利用があれば1万円もポイントが貯まります。

上記のようにクレジットカードはポイント還元があるので、カード利用料金が多くなったり、カードを長期的に利用したりすると多くポイントが貯まり、現金よりもお得になります。

銀行ATMを利用する機会が減る

クレジットカードを持っているとあまり現金を利用しなくなるので、銀行ATMでお金を引き出す機会が減ります。ATMを利用する機会が減るということは、ATM利用手数料が減って節約に繋がります。

月に3回現金を引き出して、毎月300円のATM利用手数料がかかってるとすると、ATM利用手数料は年間3,600円かかることになります。クレジットカードを持っていればATMを利用しなくて良いので、この場合だと年間3,600円お得になります。

また、銀行ATMは日中しか利用できず、夜間にお金が必要になったとき困ります。クレジットカードなら365日、24時間いつでも支払いができるので、現金よりも便利です。

クレジットカードは盗難補償や不正利用補償がある

クレジットカードはカードを盗まれて第三者に使用されたときに補償される「盗難補償」、カードを不正利用されたときに補償される「不正利用補償」があります。他人の悪意によってクレジットカードを勝手に使われた場合、原則として補償制度により被害金額が全額補償されます。

現金だと盗まれたときどうしようもありませんが、クレジットカードは補償があるので現金よりも安全です。

海外旅行障害保険や海外キャッシングを利用できる

クレジットカードによっては、海外旅行中のケガや病気が補償される「海外旅行傷害保険」が付いています。海外の医療費は日本の2倍~3倍と高額なので、海外旅行に行くときは旅行保険が必須です。

海外旅行傷害保険付きのクレジットカードを持っていないと、旅行会社の保険に加入する必要があります。旅行会社の保険は1週間あたり保険料が5,000円弱かかるので、クレジットカードを持っていれば保険料の節約になります。

また、クレジットカードは海外ATMで現地通貨を引き落とせる「海外キャッシング」の機能が付いています。海外で現地通貨を手に入れる方法として空港や銀行での両替がありますが、海外キャッシングの利用手数料は両替よりも安くなる場合が多いです。クレジットカードを持っていれば、海外旅行中に現地通貨が必要になった場合も困ることはありません。

初めてのクレジットカードを選ぶポイント

学生で初めてクレジットカードを作る方に向けて、クレジットカードを選ぶポイントを解説します。

よく利用するお店で特典があるカードを選ぶ

クレジットカードはスーパーや百貨店などと提携して発行されているカードがあります。たとえば、イオンで割引特典があるイオンカード、楽天市場でポイントが貯まりやすくなる楽天カードなどです。お店と提携して発行されているカードは、特定のお店でお得になる特典が付いているので、よく利用するお店のクレジットカードを持っていればお得になります。

ポイント還元率が1%以上のカードを選ぶ

クレジットカードはカードごとにポイント制度が異なるため、ポイントが貯まりやすいカードを選ぶのが重要です。支払い金額の0.5%~1%分ポイントが還元されるクレジットカードがほとんどなので、ポイントが貯まりやすいポイント還元率1%以上のカードを選ぶのがおすすめです。

支払い200円ごとに1ポイント貯まるカードなら支払いの0.5%が還元されているのでポイント還元率0.5%、支払い100円ごとに1ポイント貯まるカードなら支払いの1%が還元されているのでポイント還元率1%です。

  • 支払い200円ごとに1ポイント貯まるカード:ポイント還元率0.5%
  • 支払い100円ごとに1ポイント貯まるカード:ポイント還元率1%

※1ポイント=1円相当として計算

ただし、クレジットカードによっては1ポイント=1円相当ではない場合があるため注意が必要です。支払い100円ごとに1ポイント貯まるカードでも、1ポイントの価値が0.5円ならポイント還元率は0.5%になります。クレジットカードは「いくらの支払いで何ポイント貯まるか」ではなく、「ポイント還元率が何%なのか」を基準に選びましょう。

年会費無料のカードを選ぶ

クレジットカードは年会費無料カードと年会費有料カードがあります。年会費は毎年かかる費用なので、クレジットカードを初めて作る学生の方は年会費無料カードを選ぶことをおすすめします。

初めてのクレジットカードは年会費無料カードを作り、クレジットカードの使い方に慣れてきたら特典が豊富な年会費有料カードを作るのも良いでしょう。クレジットカードは持てる枚数に制限はないので、1枚目に作った年会費無料カードを解約する必要もありません。

国際ブランドはVISAかMastercardがおすすめ

クレジットカードには必ず国際ブランドが1つ付いています。お店でVISA、Mastercard、JCBなどのロゴマークを見たことがあると思いますが、お店が支払いに対応している国際ブランドでのみカード支払いが可能ということを表しています。

クレジットカードを作るとき、加盟店数が少ない国際ブランドを選んでしまうとお店が支払いに対応していなくて支払いができません。そのため、日本国内・海外ともに加盟店数が多いVISAかMastercardの国際ブランドを選ぶのがおすすめです。

また、JCBの国際ブランドも日本国内であれば加盟店数が多いです。海外旅行に行く予定がない方ならJCBの国際ブランドを選んでも良いでしょう。

電子マネー付きカードならワンタッチで決済できる

クレジットカードは電子マネーに対応しているカードと対応していないカードがあります。電子マネーに対応しているカードなら、支払い時にカードをレジの端末にタッチするだけで支払いが完了します。

また、スマートフォンiPhoneを持っている方は、Apple Pay対応のクレジットカードを選ぶことでApple Payを利用できます。Apple PayはiPhoneをレジにタッチするだけで支払いが完了するので、財布やクレジットカードを持ち歩く必要がなくなります。

クレジットカードを作るために必要なもの

クレジットカードを作るために必要なものは、本人確認書類と銀行口座のみです。インターネット申し込みであれば印鑑も必要ありません。

クレジットカードを作るときに必要な本人確認書類と銀行口座について詳しく解説していきます。

本人確認書類

クレジットカードを作るには本人確認書類(身分証明書)が必要になります。本人確認書類はクレジットカードが郵送で送られてきて受け取るとき、郵便局員さんに提示して本人確認してもらうために使います。

クレジットカード受取時の本人確認書類として利用できるのは下記の書類です。学生の方なら「運転免許証」「健康保険証」「マイナンバーカード」「住民票の写し」いずれか1点を準備するのがおすすめです。

  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • マイナンバーカード
  • パスポート
  • 住民票の写し
  • 公的機関が発行している顔写真付きの書類

なお、学生証はクレジットカード受取時の本人確認書類として使用できません。

カード料金引き落とし用の銀行口座

クレジットカード利用料金は登録した銀行口座から自動的に引き落とされます。引き落とし用の銀行口座はインターネット申込時に銀行口座の情報を入力する必要があるので、口座番号、支店名、支店番号、預金種別がわかる通帳を用意しましょう。

ほとんどのクレジットカードでは、メガバンク、地方銀行、ゆうちょ銀行など、一般的に利用される銀行口座であれば引き落とし口座として登録可能です。

クレジットカード引き落としに利用する銀行口座は、本人名義の銀行口座である必要があります。両親、家族の銀行口座を引き落とし口座として登録することはできないので、銀行口座を持っていない方はクレジットカードを申し込む前に銀行口座を開設しなければいけません。

クレジットカードの使い方に関する注意点

学生で初めてクレジットカードを作る方に向けて、クレジットカードの使い方に関する注意点を解説します。

キャッシングやリボ払いは金利手数料がかかる

ATMで現金を借りられる「キャッシング」と毎月のクレジットカード料金を分割で支払う「リボ払い」は金利手数料がかかります。クレジットカードの使い方に慣れないうちに金利手数料がかかるサービスを使うと、気づかないうちに返済する金額が増えて借金地獄に陥る可能性があります。

カード料金の返済トラブルを起こさないために、金利手数料無料の一括払いで支払いましょう。クレジットカード申込時には普段の支払いを「一括払い」もしくは「自動リボ払い」から選択できるので、一括払いを選択しておけば良いです。後からリボ払いに変更したくなったらいつでも変更できます。

支払い方法は、支払いのときクレジットカードを提示すれば基本的には一括払いで支払われます。店員さんに「支払い方法はどうしますか?」と聞かれたら「一括払いでお願いします」と伝えれば一括払いで決済処理してくれます。

利用限度額がオーバーしないように注意する

クレジットカードには「利用限度額(ショッピング枠)」が設定されています。利用限度額とは、カード料金の返済が完了するまで支払いできる上限のことです。仮に利用限度額が20万円の場合、カード料金の返済が完了する1ヶ月~2ヶ月の間に20万円までクレジットカードでショッピングができます。

利用限度額がオーバーしてしまうと、カード料金の返済が完了するまでクレジットカードで支払いできなくなります。自分のクレジットカードは利用限度額がいくらに設定されているか確認し、利用限度額がオーバーしないよう使いすぎに注意しましょう。

利用限度額はクレジットカードの審査結果次第でいくらになるか決まります。学生の場合は10万円~30万円が利用限度額として設定されることがほとんどです。クレジットカードが郵送で届いたときに同封される書類に利用限度額が記載されています。また、スマートフォンやパソコンで会員専用サイトにアクセスし、利用限度額を確認できます。

利用明細は毎月チェックする

毎月の利用明細をチェックしないとクレジットカードの使いすぎが起こったり、カードを不正利用されたときに気づかなくなったりします。利用明細は毎月チェックして、支払いが問題なくできるか、明細に記載されている請求額に間違いがないか確認しましょう。

クレジットカードの利用明細はインターネットやアプリで明細を確認する「Web利用明細」、もしくは郵送で明細が送られてくる「書類の利用明細」の2種類があります。自分が毎月チェックしやすい利用明細で確認しましょう。

クレジットカードが届いたら裏面にはサインする

クレジットカードの裏面にはカード会員のサインを記入する欄があります。サインを記入しないとお店でクレジットカードの支払いを断られる可能性があります。クレジットカードの利用規約には「必ずサインを記入してください」と記載されているので、サインは忘れず記入しましょう。

サインは漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字など好きな書き方で良いです。お店でサインを求められたときはクレジットカード裏面と同じサインを記入する必要があるので、書き慣れている書き方が良いでしょう。漢字で記入しておけばお店でサインを求められたときに違和感なく記入できます。